【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第10章 無自覚Faint Love
「あの......北門さんの前では増長さんは霞むなんて思ってないです。あの時は伝えられないままだったので」
ここからが一番聞いて欲しいことだった。
「嬉しかったのは北門さんが増長さんを追いかけて来てくれたからですよ。彼は増長さんにも弱い部分があると理解して来てくれたから」
そっと彼の手を握る。
「私も増長さんが困ってたり泣いてたり......寂しい時は側にいます。飛んでいきますって伝えておきたかったんです!」
その言葉に彼は驚いているみたい。
「ありのままの俺を見て......受け入れてくれるの?」
どうして有りのままがダメみたいに言うの?
私にはなんとなく......有りのままの自分は誰からも必要とされていないように聞こえる。
「私はありのままの増長さんが良いです。でも本当の感情を隠す事で自分を責める必要はないというか......無意識かもしれませんけど誰しも信用に足る人か考えて接していますよ!」
私もそうだし、そうじゃないと良い人間関係は築けないと思う。
「前に私に対して『大切に育てられてるって分かる』と言ってくれた事がありましたけど辛い思いをさせていましたか?」
そのことも気がかりだった。
あの時は彼のお母さんのこと全然知らなかったから。
「ううん、本当にそう思っただけだよ。自分に嘘が付けない。真っ直ぐで正義感が強くて心が綺麗じゃないと出来ないことだよ」
「褒めすぎですよ......増長さんは真面目で努力家ですよね。好きな人にはちょっと意地悪なのかな?北門さんもいじめられてますし」