【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第8章 想いはContraly
「いってぇ、みょうじは怪我無いか?」
まず私を気遣ってくれる。
落ちる瞬間、私を庇ってくれたのに。
「本当にごめんなさい......私の重さのせいで怪我してませんか?」
「お前のせいじゃないだろ。むしろ、俺のせいでごめんな」
身体は強く打ってるよね。見上げてみるけど、上には登れそうにない。
「明るくなってから動く方が良さそうだな」
これからのことを話して、ひとまずその場に留まる事になった。
これが最善だよね......。
彼の手にはあの薬草が握られていた。
「それ、必ず暉くんに渡しましょうね!」
「ああ。絶対に持って帰る。暉......」
野目さんは暉くんを大切に思ってる。
名前を呼ぶ優しい声色に胸が詰まって、涙がこみ上げて来た。
なんで、暉くんがそんな目に合うんだ。
どうして、野目さんの大切な人が......。
「...うっ、ひっ......ぐ」
「お前、よく泣くな」
大きな掌が頭を撫でてくれた。
それはとても優しい手だったーー。
〜♪
野目さんの口ずさむメロディーは暉くんのソロ曲。
力強い......素敵な歌声。
不思議と励まされるような気持ちになった。
私は絶対に......彼と旅館へ帰るんだ。
しばらくその歌声に耳を傾けていると、別の歌声が近づいてきた。
この声!
次の瞬間明るい光に包まれるーー。