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【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います

第82章 想像する君との


「もう......冗談が過ぎます」

車に乗り込んだ私は不機嫌だけど、その様子もばっちり見られているみたい。


「ふふっ、どんな顔も可愛いから......やめられないな」

「もう、怒りました!」

「ふふっ、いいよ。怒った顔も見せて」

おかしそうにクスクス笑ってるし。


「わ......悪いと思ってないですよね?」

「どうかな?」

そのまま車が走り出した。


「言いそびれてたけど......ありがとうございます。式のことちゃんと調べてくれてたんですよね?」

私達の準備がスムーズなのは、増長さんが色々調べてくれてたおかげだった。


「俺は、結婚したくて仕方なかったからね」

「式場や衣装のことまで......」

「でも色んな所を見に行ってないのに、すぐに決めちゃって良かったの?」

「はい......選んでくれてたことが嬉しかったんです。増長さんの中には他の選択肢はありましたか?」

私達が打ち合わせに来た式場。
それは、私達が再会した式場と同じグループの式場だった。


式を挙げる場所は、あの日の式場。


「ないかもね。みょうじさんに対する俺は、独占欲の塊だから」

信号が赤に差し掛かって停車した。
そっと右手を握られると、そのまま口付けられる。


「でもね、提案してくれたのは誰だと思う?」

「え......提案したの?」

増長さん以外の誰かってこと?


「え......っと」

「真司くんだよ」

「真司!?」

「うん」

どうして、真司が?
心の声は筒抜けだったみたい。


「真司くんは偽装でもみょうじさんがあの式場に憧れてたからあの場所を選んだって、それで俺に『本当の式をあの場所で挙げてほしい』ってお願いしてくれたんだ。連絡先は沙知ちゃんに聞いたのかな?」

あの式場は幼い頃に参列したことがあって、ずっと憧れていた。


「でも、衣装は?」

彼が調べてくれていたウェディングドレスとカラードレスのブランドは、どちらも私の好きな物だった。


「ウェディングドレスのブランドは持ち物で知ってたよ。例えばあの日の口紅......同じブランドだから」

「遊園地の日?」

増長さんの言う通り、白いドレスのブランドは化粧品や服や装飾品など手広いブランド。

でも、

「それなら、カラードレスは?」
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