【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第82章 想像する君との
「あの、最近......取材とかああいう質問増えましたよね?」
「そうだね」
式場でプランナーさんを待つ間、私が切り出したのは先日の雑誌の取材の話。
再びプロポーズを受けた日からしばらく経った。
あの日から式の準備も着々と進んで、当日まであと少しになっている。
「嫌だな......とか思ったりしませんか?」
「どうして?」
「えっと......アイドル活動には関係ないのに、私のことを聞かれるから?」
バッグから取り出したのは、その雑誌の見本誌。
その表紙は増長さんの写真で『理想の旦那様の素顔』と。
「別にいいよ。むしろ、嬉しいかも......」
「え?」
「前なら考えられなかったよね?みょうじさんは全く乗り気じゃないし」
座っている状態で腰を引き寄せられた。
確かに個室、個室だけど。
最近の増長さんは特に大胆で、こんな感じのスキンシップが外でも増えた。
「プランナーさんが戻って来ますよ!」
慌てて胸板を押し返すけど、びくともしない。
「大丈夫だよ。さっき席を立ったばかりだし......」
「で、でも......」
「何かと理由を付けて離れたいんだね?」
「だ、だって......」
見られたら恥ずかしいもん。
「俺は悪い事なんてしてないし、誰に知られても見られても平気だよ。みょうじさんは俺が選んだ唯一の人だから、取材でも隠し事なんてしない。俺達のファン、うさぎちゃん達にもみょうじさんの良さを知ってもらいたいから」
そっか......そういう風に思ってくれるのは嬉しいな。
「今更ですけど、うさぎちゃんって呼び方可愛いですよね」
「え?」
「今、改めて思って?」
「ふふっ、肝心な所は聞いてくれた?」
「はい!ありがとうございます。うさぎ......うさぎか......」
年中発情期。
愛染さんとの話を思い出す。
あんなに可愛いのに......。
「俺のうさぎちゃんはみょうじさんだね」
「え?」
増長さんのうさぎちゃんは世の中に沢山いるけど。
「私が......増長さんのうさぎ......?」
ポツリと吐き出せば、ぷにっと両頬を包まれた。