【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第80章 全てを知りたい
眠る前にどうしても聞きたいこと。
「記憶を失ってた時のことは覚えてるんですか?」
「うん、覚えてるよ。どうして?」
「良かった......あの時の記憶が置き去りだと嫌だから」
記憶を失った彼と過ごした......あの数ヶ月。
「好きになっちゃったの?」
「へっ!?」
意外なことを聞かれて、声が裏返る。
「好きになるも何も......覚えてるんだし、同じ増長さんじゃないですか」
「全然違うよ」
「え?」
「意識は俺じゃない俺がみょうじさんを抱くんだよ?頭で覚えてるけど......立派な浮気じゃないかな?」
「うわき?......浮気!?」
ええ......どうして!?
「本当に酷いよね。簡単に俺の想いを疑って澄空さんとの仲を誤解。挙げ句の果てには、他の男と結婚して俺から離れようとして......」
「あれ......?」
簡易ベッドに寝ていたはずなのに、いつの間にか同じベッドに寝かされている。
「本当に許せないな......」
見上げた顔は、予想通りに不機嫌そうだ。
「何をすれば許「退院したら、その身体で悦ばせてくれるよね?俺が満足するまで、ひたすら愛されてくれるよね?」
「え?」
「返事は『はい』だけだよ......」
「あれ......でも甘やかすって......?」
なんだか、叱られている気がするんだけど......。
戸惑っていると優しく頬を包まれた。
目がばっちり合うと綺麗に微笑まれて、
「とびっきり、甘やかすよ。ベッドの中で......」
「で、ですよね......」
結局は
綺麗な笑顔に言いくるめられるんだよね。
でも、
まだ降り止まない雨はもう怖くなくなったーー。