【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第76章 成功の秘訣、刻みたい熱
舞台に向けての練習は進んでいたけど、大きな問題が一つあった。
それは......私のダンスの才能が全くないことだ。
確実に......足を引っ張ってると思う。
「大丈夫だよ。最初よりは上手くなってるんだから。ね?もう一回頑張ろう」
増長さんがそっと抱き起こしてくれる。
目が合うと微笑んでくれるけど、この前のことを思い出してなんだか照れ臭いな。
婚約者なんだから肌を重ねることなんて普通だけど、彼が記憶を失くしてからああいうことは数ヶ月ぶりだった。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
顔が赤いのばれてないといいけど。
「お前大丈夫なのか?」
そう言う剛士くんも『ダンスが苦手』って聞いてた。
「そのレベルで苦手なんですね......」
やっぱりBプロは、レベルが高いアイドルみたい。
今回の事で更に実感した。
このままじゃ、私だけ悪目立ちしちゃう!
無意識に頭を抱えていたみたいで、悠太くんがその手を握ってくれる。
「僕たちは小さい時からレッスンしてるんだから当たり前だよ。なまえちゃんなら絶対にできるよ!」
「悠太くん......」
可愛い笑顔でそう言ってもらえると、頑張れそうだ。
あの日のオーディション。
評価は上々で結局は皆で一緒に舞台に上がることになった。
絶対に素敵な日になる。
そんなこと想像するだけで分かる。
たとえ追いつけなくても、恥ずかしくないものにしないと!
「そういえば、気になることがあるんですけど......私の兄役が愛染さんで弟は悠太くん。私だけ血が繋がってないですよね?」
「どうして?」
その理由がわからないみたいで、愛染さんはきょとんとしてる。
「勿論、顔の作りの美しさが違いすぎるので」
あれ?
辺りがシーンとなって皆、ぽかんとしてる?
「ははっ、なまえは謙虚だね。でも俺は血が繋がってない方が嬉しかったな。義理の兄妹なら、結婚もできるからね......」
「え?」