【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第72章 Farewell
それはあの日ーー
私が『失恋』した日の数日後のことだった。
あの日からずっとそのことを考えていて、私の気持ちに応えられないのは好きじゃないから。
ふと前に見た二人のキスシーンを思い出した。
つばさちゃんのことが好きだから?
元婚約者の私に罪悪感を感じていて、でも他に好きな人がいる。
過去の自分と今の自分の立場で苦しんでいたのかな?
偶然つばさちゃんの姿を見つけて、進む足ーー。
だめだ。
二人の交際が事実だとしたら、真実か確かめることは彼女にも罪悪感を感じさせるだろう。あの日の彼の言葉が今の私達の全てで、あの言葉が意味するのは『失恋』だ。
それが、私達の全てーー。
慌てて引き換えそうとすると、そちらから増長さんが歩いてきた。
どこか隠れるところ......!
咄嗟に側の通路を曲がる。
「お疲れさまです!」
立ち聞きとか最低だ!
そう思うのになんだか動けなかった。
「日程は決まりましたか?」
「うん、決まったよ」
「ドレスを見に行って決めたりとかするらしいけど、それは本人が居ないと無理だからね」
「そうですね......いつがいいですか?」
これって......。
何の話かなんて安易に想像がついて、
頭の中では警告音が鳴り響いていた。