愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】
第2章 出会いは突然に
─18歳になった少女。5年の間にここを訪れた海賊は数知れず─
グランドライン後半の海…新世界への入り口、シャボンディ諸島。
その諸島に、"最悪の世代"と呼ばれる海賊たちがこの時集まっていた。
モンキー・D・ルフィ、バジル・ホーキンス、トラファルガー・ロー、ユースタス・キッド…いずれも億超えの賞金首ばかり。
おそらくこの中の誰か、がワンピースを見つけ、海賊王として名を残すのだろう。
そんな世代の集まる島で、少女はある一人の海賊と恋に落ちる。
神の血を引く一族がいた。特徴は、海をも空をも思わせる、見る人によって変わる碧い瞳。その瞳は宝石のように美しく輝く。だが、彼女の持つ、大きな瞳とその色は特別で、虹色だった。それは力の象徴を意味していた。
彼女は、万物の声を聞くことができた。だが、ある条件下で死者を蘇らせることができ、また、万物に"力"を与え動かせるその力は、まだ彼女の中で芽生えていないものだった。
その大きな瞳と、瞳の色の美しさと、艶のある美しい黒髪と絹のように白い滑らかな肌を持ったその女は、絶世の美女、海賊女帝ハンコック、人魚姫しらほしよりも美しかった。絶世の美女とは、むしろ彼女に与えられる方が相応しかった。その美貌と内から溢れる魅力は、この世界のあらゆる物を虜にしていた。彼女が笑えば周りの花や木も笑った。弾けるような笑顔の時に、彼女の瞳の色は虹色になる。普段は碧または、藍色、時には緑になる少女の瞳は、感情によって色が変化するのだ。
例えば、怒りの感情の時は、濃い赤、嬉しい時は橙と黄色が混ざったような色…というように。
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カラン…
「いらっしゃいませ、4名様ですね。こちらの席にどうぞ。」
その酒場の客は海賊や人さらい稼業の者たちが大半を占めていた。
案内された"ハートの海賊団"の四人は、店の奥の席に座った。
「メニューになります。」
ありがとう、とつぶらな瞳でモフモフの白くま、ベポがメニューを受け取る。
「キャプテン、何を頼むー?」
メニューを見ながら声をかけたのは、シャチ。
「お前らに任せる。」
目つきの悪い、ふわふわ帽を目深に被った"キャプテン"と呼ばれるその男、トラファルガー・ローは、そう返事をすると周りの客たちに目を向けた。