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愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】

第4章 船長の気まぐれ


───ローは夢を見た。

妹のラミーの夢。ラミーが夢の中でローに言う。

『お兄さま、その人を大切にしてあげて。』

『……?ラミー?その人って誰だ?』

『そばに居るでしょ。お兄さまが幸せにしてあげてね。』

『……?おい、ラミー!誰のことだよ!』

消えていくラミー。─────





リンが夜中に目を覚ますと、ローがソファーで眠っていることに気がついた。

「風邪ひいちゃうよ、船長さん……」

リンは、優しく声をかけながら、眠っているローにそっと、自分が使っていた毛布をかけ、再び眠りについた。



一方ローは…夢を見たあと、心地いい香りに誘われ、深い眠りに落ちていた。
その香りは、ローを妙に安心させ、眠りを深くしていたのだ。
それは毛布についたリンの香りだった。


……翌朝。

ローが目覚ますと、自分の身体にかけられている毛布に気がつく。ベッドの彼女に目をやると、寒そうに薄手の布団に包まって眠っていた。

よく見ると、かけられていたその毛布は自分のベッドに使われているものだった。

「アイツ、夜中に起きて……これを?」


そう呟くと、ローはその毛布を今度はリンに掛けてやり、優しく髪を撫で、無意識に、美しく艶やかな彼女の黒髪にそっとキスを落とした。
一瞬、自分のした行動に固まるロー。
彼女の髪に唇を寄せた時、ふわっとした香りがローの鼻を擽り、ローを穏やかな気持ちにしたのだった。

気持ちよさそうに眠る彼女の顔を、ローは目を細めて眺めた。

(なんて穏やかな寝顔なんだ…)

再びソファーに座ったローは、昨晩の眠る前の感情と、夢の中の妹ラミーの言葉と、心地よかった香りを思い出していた。

(久しぶりに深く眠ったな…それにしても、誰を大切にすればいいんだ…寝顔を守りたいなんて、どうしたんだ、オレは…)


「あの心地よい香り……安心するな…」ボソッと呟いた。



リンと出会ってから、"自分はどうかしてしまったのか…?"と思うことが増えたようだ。
気持ちが揺れ動く感覚は不思議と、嫌じゃないとローは感じていた。

それは、揺り動かしているのがリンだから、嫌じゃないのかもしれない……?
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