愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】
第3章 オークション
ローは、外に出る前に、リンの方へ歩いていく。
鍵を取り合っていた人達は、大太刀を担ぎ、険しい顔つきで近づいてきたローを見て、怯えながら道を作った。
リンの前で足を止めるロー。
「解放してやる、動くんじゃねェぞ、他の奴らは下がってろ!」
「…え…無理に外したら…」
「うるせェ、黙ってろ。…ROOM…」
そう言って、ローのやることを止めようとした人を黙らせ、彼女の周りに小さなサークルを貼り、首輪と手錠を切り落とした。
爆発するかと思って、目を閉じていたリンは、ガシャン!という音に身体をピクリと動かした。
「おい。」
ポン、とリンの頭に手が乗せられた。それに気づいたリンは目を開けて自分が生きていることに驚き、ローを見た。
「…ありがとうございます…」
リンの瞳からポロリと涙が零れ落ちた。ローはそれを見て柔らかな笑みを浮かべた。
(怖かったろうに……)
内心そんなことを思いながらも、敢えて口には出さずに、言った。
「礼なら、あそこの白クマと、麦わら屋に言うんだな。」
ローはそう言って、目線をベポにやり、立てた親指をルフィの方に向けた。
外に出ようと戻ってきたローの元にベポが抱きつく。
「わぁ、キャプテン、ありがとう!」
暑苦しい、とばかりにローはベポを引き離した。
「お前ら、あの女を連れてこい!オレは先に行くぞ!」
「アイアイサー!キャプテン!」
ベポ、ペンギン、シャチに指示を出すと、キッドの後を追って会場を先に出ていった。
手錠と首輪の取れたリンは、ケイミーの元に駆け寄った。
「ケイミー、良かった、無事で。」
「リンちんも、無事で良かったぁ。」
二人は互いに無事を確認し、抱き合った。
リンはこの騒ぎの中で、少しだけ麦わらの一味を知れた。
(いい友達に助けて貰えたね。)
皆で外へ出ると、三人の船長が海軍相手に暴れていて、海軍は陣形を立て直すことが出来ないほどになっていた。
それぞれの海賊団がバラバラに分かれ、海軍の追撃をなんとか交わしながら船へと急いだ。
逃げる途中で、大将黄猿に足止めを食らうも、なんとか振り切り
ロー達は自分達の船へと戻った。