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愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】

第3章 オークション



迫る順番。
聞けばケイミーはある海賊たちと一緒にいる所を、人魚だとバレてしまい人攫いに攫われたという。
人魚はオークションでは高値がつく。しかも若ければ何億と値段がつけられる。

ケイミーを助けるために、きっとその海賊たちが乗り込んでくるだろうと思った。
リンの知ってる海賊は、ある海賊団を除いては、だいたいが極悪非道で、すぐに女や子供は売り飛ばし、金品を強奪したり、人を傷つける、といった残忍な印象が強かった。
むしろ、それが一般的な海賊なのかもしれない。

実際自身も、だいぶ危ない目に遭ってきた。
だが、ケイミーの言うその海賊は、リンの知るある海賊団と同じ、強くて優しい海賊のようだ。

六年前、母が死んだ時助けてくれた海賊も、ここにいた五年の間に気にかけてくれた海賊も、三日前に、自分を助けてくれた海賊も同じだった。
強くて優しかった。
三日前のあの時彼が撫でてくれた頭の感触を、リンは思い出していた。




オークションが始まった。

場内は"商品"を買いに来た多くのバイヤー、三つの海賊団、天竜人で埋め尽くされていた。
"商品"の人間達は次々に値を付けられていく。

そんな中、リンと人魚ケイミーが"目玉商品"として、出品される番になった。

先にリンの番がきた。

「さぁ、お待たせしました!本日の"目玉商品"は二つ!一つはこの珍しい瞳の色をした絶世の美女!」

出てきたリンを見たローたちは、「あっ!」と声をあげた。
三日前、酒場で助けた女が、今このオークション会場にいたからだ。
リンも、ローたちの声に気づき、彼らを見た。

「あの時の…白くまさん……」

小さな声で、涙を流しながら呟いた。

「キャプテン……あの子を買いましょうよ!」

「……」

ローはベポの言葉に返事をすることなく、前を見据え、黙ったまま様子を伺っていた。彼女の瞳の色はそこからはわからなかったが、暗い色なのは間違いなかった。

「さぁ、5千万べ……」

司会が値段を言おうとしたその時、あとからチャルロス聖が到着し、口を挟んできた。

「4億!その女は4億でわちしが買うだえ!」
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