愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】
第2章 出会いは突然に
「……やるな、あの海賊……」
ペンギンがボソッと呟いた。
ベポは、はじめのうちは善戦していたが、相手もなかなか腕が立つようで、ベポの攻撃は効かなくなってきていた。
バキぃッ!!
海賊の強烈な一撃がベポに入る。ベポは、倒れ、気を失ってしまった。
「…!!白クマさん!大丈夫??しっかりして!!」
リンは、ベポの元に駆け寄り、モフモフの身体を揺すった。
「……」
だが、返答がない。リンは、揺するのをやめ、瞳を潤ませ呟いた。
「…やだ…どうしよう…白クマさぁん…」
「ハハハッ!!見ろ!出しゃばってくるからだ!」
そう言って、酔っ払いの海賊はリンの元に近寄っていく。
そんな様子を黙って見ていたロー。自分には、船長として落とし前をつける必要があると考えた。それが結果的に彼女を助けることになればベポの、助けたい、という思いは報われるのだから、と。
「……チッ、仕方ねェな…ペンギン、シャチ、お前らは手を出すなよ!」
酔っ払いが近づき、リンを立たせようと髪を掴もうとした、その時…ローは咄嗟に近くの酒瓶を掴んだ。
「ROOM!! シャンブルズ!!」
バッ!とリンが消え、代わりに酔っ払い海賊の手元には、酒瓶が落ちた。
「んぁァ?なんだぁァ?」
海賊は何が起きたのか、よく分からなかった。よく見ると、自分が髪を掴もうとしていた女は、背が高い男のそばにいる。何度も目を擦ってみたが、やはり間違いなかった。だが、それは自分が酔っているせいだろうと思い、大して気にせずに、今度はローの方に向かっていく。
「うぉぉっ!今度はお前が相手か!」
海賊は、ローに向かって拳を振り上げた。
「…おい、女…見るんじゃねェぞ…」
そう言って、ローはリンをギュッと抱き寄せ、彼女の頭を自分の胸元に抱き込んで、大太刀"鬼哭"を二太刀振るった。
ヒュンヒュンッ…!
「うあぁぁ!切られた?!でも、死んでねぇ!なんだこりゃ?!身体がッ!」
明らかに切られたのに、血は出ていないが、身体がバラバラにされていて、しかも喋れることに驚く海賊。周りの客も驚いている。
「…フッ。このクマの言う通り、お前はクズだな。女に断られたくらいで、手を挙げるとはな。」
「おまえ…!誰だ?」
海賊は、恐る恐る問いかけた。