第22章 制御不能 ※
「そっ!そんなのできません!」
「イキたいんだろ?なら自分で腰振って、気持ちいところに当てて見ろ。」
動揺を隠せない様子でこちらを見るエマに、静かに言い放った。
「そんな…」
自分で動くなんて、そんな恥ずかしいことできっこない。
「やらなきゃいつまでたってもこのままだぞ。」
「や…でも………」
「エマ、俺の前で自分で動いて気持ちよくなるのが恥ずかしいのか?」
黒目の大きな瞳が揺れる。
少しの間を開けて、気まずそうに頷いた。
するとリヴァイの腕が伸びてきてエマの上半身を倒すと、繋がったまま寝そべった二人の身体はまた密着した。
リヴァイの逞しい胸に倒れ込むように折り重なり、背中に腕を回される。
「忘れてそうだからひとつ言っておくが。」
横を向いた色気を纏った低音が、エマの鼓膜へ直接届く。
「お前が気持ちいい時は俺だって同じだけ気持ちいい。それは身体だけじゃない、お前が感じた時に見せる表情、声、仕草、全てが俺を刺激するってことを忘れるな。」
優しく諭すような言葉にエマはハッとする。
その瞬間耳たぶをチュクリと口に含まれながら、下からまた突き上げられた。
「あぁんっ!」
「こんな風にしてお前の手で俺の事も気持ちよくさせてくれねぇか…エマ…」
……ずるい。
そんな色っぽい顔で、色っぽい声で、そんな台詞を言われたら私…
恥ずかしくても、あなたのために頑張ってみたくなっちゃう…
こうやって言われるまでは、自分が気持ちよくなるためにこんな恥ずかしいことをするなんて嫌だと思っていた。
だけど、自分が気持ちいいと思えばリヴァイだって同じように気持ちいい。
愛し合う人と身体を交えるという事はそういう事。
そんな単純な事ひとつにも気付かず一人躊躇っていたエマは、リヴァイの言葉でそれを思い出すと、恥ずかしさなんかよりもリヴァイのことを満足させてあげたいという思いの方が上に立った。