第54章 カラーボール
和也side
この状況いつまで続くんだろうなぁ
-コツン──
ガラっ-
和也「ヤッホー!」
翔「カズくん? 何をぶつけたの?」
るなちゃんの家と
俺の家はお隣さんなんだよね
和也「カラーボールだよ。 プラスチック製だしさ。ガラス割れないから大丈夫だって。それより翔ちゃん退院おめでとう!」
翔「……カズくん……ありがとう」
両家とも敷地内の表側を広いスペースを取って
裏は敷地を囲う木々に覆われた低い柵の近くに
寄せるように建ててあるからね
俺とるなちゃん翔ちゃんの部屋の距離は
近いんだよね
そう言って呟いた翔ちゃんが
涙で瞳を揺らしたなって……
-トゥルルル-
翔「あ……」
着信のあった携帯を
見つめている翔ちゃん
和也「大野さん?」
コクって頷いた翔ちゃん
和也「OK. ほら早く大野さんに電話しなきゃ! またね! 翔ちゃん!」
お互いに窓を閉めて
ふと
るなちゃんの部屋に 目を移す
さて……