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Ruby キミの涙【Satoshi.O】

第53章  ありがとう姉貴


 その頃の潤と月乃

 潤「ありがとう姉貴」

 月乃「何よ……藪からぼうに」

 潤「翔歌に再会したから……改めて姉貴には感謝しかない」

 月乃「潤も親だから分かるでしょ? 子供達が大きくなって尚更あの時の両親達の思いが……」

 潤「……分かるね」

 月乃「21.2年前は、全く理解出来なかったわ。確かに18.19で親になるの? 早いな。とは思ったけどね『潤は会社を継がなければならない』とかみんな両親や親戚達の都合じゃない。生まれてくる子供に対しても、『この先どうしようか?』なんて 話をしている事が理解出来無くて。潤が会社を継いで、親が一人前になったと認める迄。 それまでは私が預かるって思ったのよ」

 潤「俺も『親の決めた人生を選んだんだから、文句無いだろ?』だから将来『これからは好きに生きるからいいよな?』って言える様にと反骨心で頑張ろうと思ったんだ」

 月乃「両親二人して、先に生まれたるなを溺愛して。翔ちゃんが生まれたらどんな態度を取るんだろうって思ってたら…… 同じ様に溺愛して。潤と翔歌ちゃんに悪い事したと後悔しながらも、様々な事情で一度決めた事を覆す事は出来なくて」

 潤「俺は親を責められないよ。会社を守る為とか、親に認めさせる事を優先して……翔歌が大切で、好きな想いは変わらないのなら『翔歌を受け入れて欲しい』と親を説得しなければならなかったのに……姉貴が翔歌を 大切に思っていてくれた事が……俺は感謝してもし切れないんだ」

 月乃「 翔ちゃんの事ね、親として本当に許せ無くて……けど、翔ちゃんに『人に話してもいいか?』って確認もしていないし。潤の考えもあるのに私が勝手に人話す訳にもいかないものね。けど苦しくて……誰かに聞いて欲しかった…… そんな事を考えてたら、翔歌ちゃんに、潤と再会したって『なぜ教えてくれなかったの? 親として子供が苦しんでいるのを見過ごす訳にはいかないしゃないの!』って凄い怒られたわ」

 潤「運命だよな。翔歌は 、大野くんの勤める雑誌社の上司だったんだ。彼に事件の事を聞いて 風化させたくないと思って。 資料に目を通した時に被害者の名前が翔だと知って。 親として助けられ無いとしても第三者の立場からでも助けるって思ったって」






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