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Ruby キミの涙【Satoshi.O】

第51章  退院おめでとうと、一歩踏み出す勇気


 翔side

 翔の個室

 雅紀「翔ちゃん退院おめでとう」

 夏輝「翔ちゃんおめでとう」

 翔「相葉先生、夏輝先生。お世話になりました」

 半年間の入院を経て退院が決まったの

 相葉先生と夏輝先生に出逢えた事
 感謝の思いしかないの

 翔「相葉先生、夏輝先生に出逢えて幸せでした。私がずっと理不尽と感じて来た事を沢山聞いて下さって。介護施設への憤りを訴える手立てを沢山考えて下さって。本当にありがとうございました」

 夏輝「翔ちゃん、いつでも顔を見せに来てちょうだい」

 雅紀side

 翔ちゃんキミは優しい女の子だね
 施設への憤りや、怒りにうち震えながら

『お年寄りは人生の先輩なんですよ。可哀想過ぎます』

『自分のイライラを、人にキツク当たって晴らすのは恥ずかしい事だと思う』

 いつだってお年寄りや
 同僚に対しての市の職員の態度への
 理不尽な仕打ちを訴えて

 自分が皆を苦境に立たせたんじゃないか……
 って涙して

 夏輝「相葉くん大丈夫?」

 雅紀「マジで許せないですよね ……翔ちゃんと来栖さんが 一歩間違えたら尊い命を落としていたかもしれない事件。 施設側嘘のせいでずっと自分を責めて……」

 翔ちゃんは今
 "みんなの部屋"で子供達主催の
 "退院おめでとう会"で
 子供達の為にピアノを弾いている

 子供達の好きな
 アニメ主題歌や国民的アイドルの
 ハッピーな曲だったり

 その音色は少し前までの
 悲しさを漂わせる感じは一切なくて……

 子供達の 一生懸命作った
 折り紙のメダルや
 色紙を嬉しそうに受け取っている
 翔ちゃんの子供達を見つめる瞳は
 慈愛に満ちていて

 とても綺麗だ……って思ったんだ

 迎えに来た松本さんと
 一緒に 帰って行った翔ちゃん

 雅紀「俺、翔ちゃんの思いを聞いて助けてあげたいと思いました。けど、そこから先 一歩踏み込んで、翔ちゃんの心の中に、俺を…… 努力しなかったんです……」

 夏輝「相葉くん……」

 雅紀「俺は友達として戦いますよ。友達が悔しさや不安の中で涙してるんですから。友達の恋を見守って応援するのが俺の役目です」

 心の中を吐露したら

(凄い気持ちが軽くなったなぁ)
















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