第50章 運命の人との再会
潤side
智の勤める雑誌社 応接室
杉「 本日は、ご足労頂きましてありがとうございます。本来ならこちらか出向くべきですのに。申し訳ございません」
潤「いえ。こちらからお願いした事ですので……」
潤「……」
杉「……」
大野くんに
『上司の、杉 翔歌(すぎ.しょうか)デスクが翔ちゃんの件で松本さんの話を聞きたいそうです。合って頂く事は可能ですか?』
連絡をもらった時俺はとても嬉しくて
心から感謝したんだ
応接室のはす向かいに座り、二人
何とも言えない緊張感の中でしばらく無言でいた
頂いた名刺を見つめ
間違いないと確信する
というよりも
潤「21年振りになるかな……杉……翔歌……さん」
間違いなく本人だ
翔歌「 悩みました。お会いするべきか否か。 個人的な理由よりも 、一人の人間としてお会いしなければと 思いました。翔さんの身に起きた事を風化させない為にも」
潤「ありがとうございます。雑誌社に協力して頂けるのなら、こんな心強い事はありません。感謝いたします……」
俺も凄く緊張していた
けれど相手の半端ない緊張感を感じて
潤「翔歌…… 社会的挨拶は終わり……俺を翔の父親にしてくれてありがとう」
そう。 彼女は
翔と私を出逢わせてくれた女性
かつて俺が愛した女性
いや……今も……
あの時、彼女は何も言わなかった……
嫌、言う事も許されなかった
翔は未熟児で産まれた為直ぐ保育器に……
翔歌に風歌を抱かせてあげる事が出来なかった……