第13章 それぞれの戦い④~るな~②
【翔とるなの日記】
体制的に、介護依頼した施設と介護サービス会社では施設側の方が立場は上
なるべくお年寄りの残された機能を大切にお年寄りに出来る事をなるべくして頂く。その理念は分かる
介護を行う上で時に、お年寄りの抱える問題や様々な事に強く感情移入をしてしまう人間は心が苦しくなってしまう事がある
性格的にはさっぱりした人でないと厳しい現場なのではないか? と思う
しかしさっぱりというより、人に対しての物言いが上から目線なのはどうかと思うのだ
例えば右手が不自由なお年寄りに対して、入浴介助時に着替をして頂く際、右側の方の手に袖を通し左肩辺りまで通すお手伝いをして、お年寄りにご自分にて左手を袖に通してもらう
その際
『自分でさせて!』
ご自分で服を着られる方には 声かけのみ見守りで良い。しかし…… 麻痺の残る手でどのようにして、ご自分で着て頂けば良いというのだ……
そんな感じで色々な事に上から物を言ってくる。そんなタイプの人達が、介護施設側の職員に多くいたのだ。介護サービスの会社職員に対してきつく当たる何より許せなかったのは
施設で暮らすお年寄り達への態度だ
皆様も、長袖シャツを着て長袖の服を着た際に中に着ているシャツの袖が、くしゃくしゃと捲られた状態であったらとても違和感を感じると思います
少しでも快適に過ごして頂きたい。不快感を感じないように、介助者が捲れた中のシャツを、手首の所まで伸ばして差し上げるそれを介助というのではないか?
『そんな事しなくていいから』
『自分でさせて』
先程と同じ事。不自由な方の手のシャツは動かせる手で直せても……患側の手ではもう片方のシャツを下ろす事は出来無いのだ
万事そんな感じ
食事も。靴を履くのも
ほんの少しだけ、お手伝いするのが介護
あなたたちのお年寄りに対して