第72章 貴方が居たから…
雅紀side
今、翔ちゃんとるなちゃんは
見守り室のお年寄り達と過ごしている
雅紀「夏輝さん、翔ちゃんとるなちゃんに、ニノくんが居てくれて本当に良かったです。この歪んだ空間に味方が居てくれて」
見守り室のお年寄り達は、要介護度が高い方が過ごされている
コミュニケーションが上手く図れなかったりで、一見ボンヤリとして、翔ちゃんとるなちゃんに感心を払っていない様に見える方も
静かに涙を流されていて……
本当に、翔ちゃんとるなちゃんはお年寄り達に
愛されているんだなぁって思ったんだ
夏輝「本当にね。市の職員と、介護サービス会社の職員が一緒に働く。不思議な空間でなかったらもしかしたら起きなかったかもしれないのに……」
雅紀「種橋というボスに物を言う事が出来ない人達。注意しようとしない人達と施設。 立場という見えない壁や圧力に逆らえない。逆らう事をしないサービス会社」
和也「傍観者…… って事ですか? 相葉先生……夏輝先生……俺は何をしたら良かったんですか?」
智「二宮くんが居たから、翔ちゃんとるなちゃんは頑張れたんだよ! 吉井さんもおっしゃったじゃんか!」
夏輝「大野くんも頑張ったわ。松本さんも」
雅紀「弱い立場のお年寄り達を守る為に、立ち上がった翔ちゃん、るなちゃん。ニノくん。自分達に歯向かって来た事に腹を立てて嫌がらせの矛先を変えた施設職員達。お年寄りへの態度もエスカレートするばかり。それに屈する事無く戦い続けたニノくんに松本さん」
夏輝「嫌がらせを受けている人を、見て見ぬ振りする事無く手をさしのべた人。支援する人に助けを求めて、一緒に戦う人達と頑張って立ち向かって。嫌がらせを受けていた人は救われて。互いに仲間になって。加害者は追い詰められていく」
雅紀「これがね。介護サービス会社だけで起きたなら解決に向かったと思うんだ。完璧な対応だったから。嫌がらせ……いじめにおいて、傍観者が見て見ぬ振りをする事が、解決を阻む事が多いから……」