第69章 涙の再会 ずっとずっと会いたかった
翔side
吉井さんに……美弥子さんに…… 入所されている
お年寄達にずっとずっと会いたかった
色々施設に迷惑掛けているし
皆さんに逢いたい
って言ったら怒られるかなって
思ったんだけど
智「 迷惑掛けられたのはどっちだよ? 風歌ちゃん!」
和也「 あのね。施設側は怒れるような立場じゃないの!」
呆れられちゃって
デイルームの扉を開けた瞬間
懐かしくて……大好きなお年寄り達がいて……
でも……
長谷川「今はね……用心に越した事はないから……10人ずつ、畳の部屋とデイルームで分かれて過ごして頂だいてるのよ。見守り部屋にいらっしゃる方達もお元気よ」
翔.るな「長谷川さん……」
そうよね……今の状況の悲しさを改めて感じちやって
美弥子「翔ちゃんっ、るなちゃんっ」
その時、美弥子さんが私とるなちゃんを呼んでくれて……
そこには
吉井「しょう、ちゃ、ん、るな、ちゃ、ん、か、おを、よ……く、みせ、てく、れ……」
吉井さん……
円を描くようにして、椅子に座っておられる皆さんの所に、私とるなちゃんは入っていったの
瞬間、皆さんがパチパチって拍手して迎えて下さって
凄い嬉しくて
考えうる様々な対策を考えてくれていた、会社の皆
私とるなちゃんは、100均で買える薄手の透明な手袋をはめているんだけど
お年寄り達も付けていたの
円の中心に、腰を下ろすと
吉井「あ、い、たか、った」
そう言って下さった吉井さんに
私とるなちゃんは涙が止まらなくなっちゃって……
顔を覆って下を向いて泣いていたの
ポン
吉井さんの大きな手が頭にポンて乗せられて
吉井「が、んば……ったな、しょう、ち、ゃん」
私の頭を沢山……沢山
撫でて下さったの……
凄く幸せだった