第2章 不足【分隊長ハンジさん・R18】
「はぁ・・・」
調査兵団兵舎の廊下を歩きながらなまえはため息をつく。
すっかり日も暮れて深夜だというのにまだ仕事が終わらないのだ。
あちらこちらに書類を届けたり、
受け取ったり、また届けたりを繰り返している。
明日は休みであるができるなら早く休みたい。
ハンジさんから受け取った書類を
エルヴィン団長に届けるため団長室の扉を叩いた。
「誰だ?」
「なまえ・みょうじです。
ハンジ分隊長から書類を預かってきました。」
「あぁ、なまえか。
すまないが、入ってきてくれ」
返事をし扉を開けると、
こちらもこんな時間であるのにまだ働いている団長の姿が目に入る。
「なまえもこんな時間まで仕事をしていたのか...」
すまないと申し訳なさそうに眉を寄せる団長の顔にはわずかだが疲労の色が見える。
「いえ、もう仕事も終わりますので。
団長もお休みになってください」
「あぁ、そうだな。
この仕事が終わったらそうさせてもらおう」
苦笑するとなまえが手渡した書類を確認する。
「これで問題ない、ありがとう。
・・・何度も申し訳ないがこの書類をハンジに渡してくれないか?
急ぎではないから、渡してそのまま今日は休んでもらって構わない」
「わかりました」
エルヴィン団長から新たな書類を受け取るとなまえは団長室をあとにした。