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短編集 ON【気象系BL】

第1章 心の癒し




それから数日、智と話したのは
レギュラー番組の収録中くらい。
家ではたまには会うし、
一緒のベッドだけど
疲れてすぐ寝ちゃうから
内容のある会話は最近記憶にない。


「さとし、4日後、帰って来るから」
「うん。気をつけて、頑張ってね」
「うん…行ってきます、」
「行ってらっしゃい」

そんなまま、俺は撮影で
4日間海外に飛んだ。




海外にいる間は、撮影だけに
集中してたし、智とは特に
連絡も取らなかった。

でも、4日後、帰るって
ちゃんと伝えたし、帰るのは夜中。
その日は仕事も早く終わるって
マネージャーに聞いてたし、
帰ったら、いてくれるよねって…
期待はした。



「お疲れさま。明日は昼から揃いの仕事だから。11時に迎えに来るね」
「…了解」
「ちゃんと寝てね。顔が疲れてるよ」
「…言わないでよ、余計くるじゃん…」
「あーごめんごめん!じゃあ、お疲れさまでしたー」
「お疲れさまでした…」




車から降りて、下から部屋を見たら
明かりは消えていて真っ暗。
まぁ…夜中なんだし、寝てるよね。

俺は、ただいてくれたらいい…




ゆっくり鍵を開けて部屋に入る…。
真っ暗な部屋を壁に手を当てて進んだ。

荷物をリビングに置いて、
ゆっくりゆっくり寝室に向かう…



ガチャ…

ドアを開けた…

ベッドの中は、もぬけのから…


そんなベッドを見た瞬間、
足の力が一気に抜けた。



「っ…ひくっ…ぅう゛……」

次々と勝手に涙が流れて止まらない。
真っ暗な、1人の家の中で
1人で泣いた。



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