第23章 すれ違い
和「…ねぇ、なにこれ。」
潤「ん?…なにって。」
和「きれいなんじゃない?」
潤「うん。」
和「投げやり…興味なさそう…」
潤「…そんなことないよ」
和「なくないっ!」
潤「え!?いやっ…」
二宮は楽屋においてあった雑誌の
嵐の記事を読んでいて、
隣にいた松本に怒りを向けた。
雑誌を放り出して楽屋を
出て行ってしまったのだ。
翔「んー、確かに興味なさそう。」
潤「そんなことないよ…」
翔「ふふっ、分かってるけどさ!」
智「にの、淋しいんだよ。」
潤「え…?」
雅「ねー。最近よく淋しそうにしてる。」
潤「………」
確かに、最近2人での時間は
取れてはいない。
コンサートに、番宣に、
忙しさが増して行く時期では
あるが、あまりにもなさすぎた。
翔「たまにはにのだけ見てやればー?」
潤「いま…忙しい…」
雅「にののこと、考える時間もないの?」
潤「考えてるよ!」
智「俺の方が考えるね~♪」
潤「は?」
智「怒んないでよ、ほんとだもん!」
潤「…そんなに、かず、淋しそうなの?」
雅「仕事以外、全然外出てこないよ。ずーっと家にいるみたい。」
潤「元々そうでしょ?」
雅「だけど、俺ともご飯行かないんだよ?」
翔「それは究極だな。」
智「究極だ。」
別にあからさまに淋しがって
いるわけではない。口には
出したことはないが、
二宮が淋しがりやなことは
みんなが知っている事実だ。
翔「迎えに行ってやれよ」
潤「…どこにいるか分からない」
雅「探すんでしょ、そこは!」
智「俺分かるー♪にのがいるとこ」
翔「なんで?」
智「最近、よく行ってるよ。あそこのコーヒー好きみたい。」
雅「ああ!食堂だ」
翔「あー。あの、柱の影の席な。」
潤「……みんなかずのことすげぇ知ってんだね…」
翔「知ってるけど、にのが来て欲しいのは俺らじゃなくてお前だけなの。」
智「悔しいけど」
雅「ふふっ!ね!」
潤「……ごめん。ありがとう」
翔「早くいけ~」