第6章 T
今見てるドラマだって見るつもりなかった
でも私の仕事はレンタルビデオ店
新しく出るDVDに感想やら見所を
書いたポップが必要で
仕方なく見始めた…
でも…
画面に映る私の知らない裕太の姿に
釘付けになっている
『ねぇーねぇー。』
裕太が私の服の裾を
引っ張りながら
私を呼ぶ
「この回が終わったらご飯作るから、
もぉちょっと待っ……!」
突然TVの画面を遮られた
裕太がこちらを向き
私の首に手を回し
またがって座っている
「ねぇ、重たいよぉ。テレビ見えないしさぁ。」
「裕太ぁー、感想書けないよぉ」