第5章 F
私は言われたとおり壁にかかった
太輔のポケットから1つの
箱を取り出し太輔に手渡した
『俺と付き合ってると
色々我慢させるし、
普通の付き合いはしてやれない。
だけど、もう我慢させないから。』
そう言って私の左手を掴み
自分の方に引き寄せた
『、俺これ買うために
すっげぇ頑張った。
結果倒れて心配かけたけど』
左手の薬指に冷たい感触と
太輔の指から伝わる温かさが
触れた
『絶対幸せにするから。
俺と結婚して欲しい。』
高い指輪なんていらないよ
私にはただあなたが
側に居てくれたら
それだけで……