第5章 F
「太輔はっ!?太輔はどうしたんですかっ?!」
『どちら様?……もしかして?!ちゃん?』
そうだった…
私の番号も知らないはずだし
面識もない相手にいきなり
すごい形相で言われて驚いたんだと思う
「はい。あの太輔はどうなんですか?!
大丈夫なんですか?!あの、あのっ…」
わたしの目からはさっきまで
全く流れなかった感情が
流れ落ちていた
そんなあたしの心情を汲み取ってくれたのか
横尾くんが優しい口調で話し始めた
『いきなりリハーサル中に倒れたんだ。
多分過労だと思う。最近さ、あいつ
どうしても欲しいものがあるから
頑張ってお金貯めるんだって
休みなく働いてたから。
今は○○○病院に居るよ。』