第55章 こいの恋 澁澤さん
(えっこの人痛みすら感じないの?)
与謝野先生の薬や治療は探偵事務所のみんなが雄叫びをあげるぐらいなのに····
ーーーー····
「あれ?国木田さんは?」
「あー与謝野先生の···」
「ふぎゃああ!!!!」
『!?』
ーーーーー······
ぬりぬり
(叫び声すらあげないとか、相当痛みが深いんだな。)
パシっ
「?」
表情筋死んでる方が私の手を握る
綺麗で長い指先に不気味なほど似合う黒
「痛いです」
がばっ
「ごめんなさい··!でも塗らないと痛みが引きませんから···(赤い目)」
「····わかりました(深い海)」
いけない
見とれていた。
「ほ···包帯巻きますね」
ガーゼを当てて、包帯をお腹に巻く
(後ろが巻きづらい
あの時はフェージャがやってくれたし···よいしょ)
「すみませんちょっと後ろ失礼します」
ふわっ····
(····優しい匂い)
何故か私の手は自然に動き
ぎゅう····
「···?どうしました?」
「痛いです····」
「ごめんなさい···痛み止め飲みますか?」
長い髪の毛が包帯を邪魔する
「あの···髪の毛がちょっと包帯に絡まるので束ねてもいいですか?」
出来上がった髪の毛は
(三つ編み····)
(無駄に似合う)