第87章 また。会いましょうか 中也さん
ーーーーー·····
「···いない?」
何時もの場所に向かう。
だが彼奴はいなかった。
きょろきょろ
「·····」
なんで俺は探してるんだ?たかがガキひとりに
たたた
「お兄ちゃん!」
くるっ
「何処にいたんだ!」
「ごめんなさい、今日はお別れを言いにきたの。明日からお母さんのお仕事が変わるからって···。だから遊んでくれてありがとう」
ずきっ
「母さん何処に行くんだ?」
「···わからない。だけど怖い所」
「怖い所?、そこに俺も行けばまた会えるのか?」
「わからない」
「そうか。ふたついいか?」
「うん」
「俺たち名前を聞いてないな。俺は··"中原中也"だ」
「中原お兄ちゃん」
「新鮮だな。···お前は?」
「私は····。」
ーーーーーーー·····
「私は、天音··また、会えましたね中也さん」
ぎゅっ
「あぁ。俺も会いたかった」
わたしを、忘れないで
ワスレナグサ