第14章 dolore

ベッドに入ってからも、翔さんはやっぱり優しくて、かっこよくて…

シャツを脱いだ胸板の厚さに思わずドキッとした。

なのに、俺に触れる手は笑っちゃうくらい不器用で…(笑)

そんな不器用な指先に触れられていると、擽ったいのに、ふとその擽ったさが快感に変わる瞬間があって…

気付いた時には、俺の下半身はすっかり元気になっていた。

でもそれは翔さんも同じで…

嫌がるかな…、と思いながら翔さんの中心を口に含んだ。

翔さんは凄く驚いていたみたいだけど、身体は素直で…

舌先が触れる度、唇が吸い上げる度、俺の口の中でその大きさを増して行った。

嬉しかった…

もしかしたら男相手に反応なんてしないかもしれない、って…

ずっと不安だったから、翔さんの中心が俺の口の中を満たして行くのを感じた時には、涙が溢れそうになるくらい嬉しかった。

それからお互い一糸纏わぬ姿になって…

そしたらさ、自分でもビックリするくらいの緊張感と、同時に高まっていく期待感に、俺は自ら両足を開き、誰にも見せたことのないソコを、何の躊躇いもなく翔さんの前に晒していた。

そして戸惑いがちに触れる指先…

身体が…震えた。

勿論、初めて触れられることに対する恐怖もあった。

でもまさか翔さんがローションとか用意してくれてるなんて思わなかったから、ちょっとだけ安心して翔さんの指を受け入れることが出来たのかもしれない。

だから…かな、

｢痛い？」

って聞かれても良く分からなくて…

『大…丈夫…』

と、だけ返した。

実際、多少の圧迫感は感じるものの、そこまでの痛みは感じなかったし、違和感なんてのも感じてはいなかった。

その時、は…

翔さんの指が二本、三本と増えて行くに連れ、どんどん薄れて行く余裕に、膝小僧を掴んだ指先には力が入り…

皮膚が引き攣れるような痛みを逃そうと、唇を噛み締めた。

それでも、

｢抜こうか…？」

心配そうに俺を見下ろす翔さんに首を横に振って見せた。