君の声が聞きたくて 〜Your voice〜【気象系BL】
第13章 coda
「触る…ね?」
たっぷりとローションを纏わせた指を、枕で腰を浮かせた事で露になった智の小さな蕾に宛がう。
そこは俺が想像していたよりも硬くて…
こんな狭い所にこんなモノが…?
俺は通常の何割か増しのサイズになった中心と交互に見ながら、若干の不安を感じた。
とは言え、躊躇っている余裕なんて全くなくて…
指で周りを解きほぐすように撫でながら、頃合いを見て指のほんの先端をその奥へと押し込んだ。
『………っ!』
慣れない行為に、智の身体がビクリと震えた。
これまで逆の立場であった智にとっては初めて感じる感覚だろうし、そもそもの使用目的が違うのだから当然…、だよな…
それでも、
「痛い?」
俺が聞くと、智は首を横に振って、
『大…丈夫…』
と、口の動きだけで答える。
俺は智の様子を見ながら、ゆっくり奥へと指を押し進めると、今まで俺が触れて来た女性の身体とは全く違う感触に戸惑いを感じながらも、まだ硬い内壁を指の腹でそっと擦った。
その間も、智はあまり表情を変えることなく…
それならば、と思い指を増やしてみる。
一本、二本、と増やして行き、三本目の指を智の中へ挿入した所で、それまで膝を抱えていた智の手に力が入った。
爪が皮膚に食い込み、唇もきつく食い縛っていて…
なのに、
「抜こうか…?」
俺が聞いても、智は仰け反らせた首を横に振るばかりで…
これ以上の苦痛を智に強いることに辛さを感じながら、俺は追加のローションをそこに垂らした。
これで幾分かは楽になるだろう…
そう思って、中に挿れた指をバラバラと動かし始めた。
すると、ローションの助けもあって…なのか、それまで硬かった肉壁が徐々に柔らかみを帯びてきて…
絡み付いて来る熱を感じながら指を動かしていると、
これ…、もしかして…
不意に掠めたそこを何度か軽く刺激してみる。
すると、それまで硬直していた智の身体が跳ね上がり、膝を抱えていた手は解かれ、ムクムクと頭を擡げ始めた中心へと向かって伸びた。