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自殺したら龍王の巫女(女)に転生しちゃったんだけど・・・

第1章 俺、本日をもって自殺します



あぁ、人生ってのは何て不平等なのだろう。

どっかの名前も知らない政治家が「人生は平等だ!」とか言ってた気がするけどそれは大きな間違いだ。

だって、今まさに俺は「不平等」を思い知られているのだから。

「おい、吉郎!お前、また学校来てんのかよ。いい加減立場ってのを弁えようぜ?」

「そうそう、ここはお前みたいなゴミが来るような場所じゃないんだよ。」

「お前が来ると俺たちまでゴミと思われちまうから迷惑なんだよ!」

言わなくてもわかると思うが、俺は今“苛め”を受けている。

高校に入学してからずっとだ。

高校生になると、女は色気づきたがり、男はイキりたがる。

高校入学からたった3ヶ月で、俺は人生に絶望してしまった。

私物を隠されるのは当たり前、殴る蹴るの暴行は日常茶飯事、頭の上からゴミや水をぶっ掛けられる、etc…

親に相談しないのか、って?

もちろん親にも教師にも相談したさ…

でも…

「苛めなんてじゃれ合いみたいなものでしょ?止めて欲しいなら自分から言えば大体止めてくれるわよ。」

「苛められる方に問題があるんだ。いちいち先生に頼るな。自分の力で何とかしろ。」

だってさ。

要するにこうだ、「めんどくさいから巻き込むな」。

あぁ、この世の中誰も助けてなんてくれないんだな。

人生に絶望した俺はある決心をした。

「よし、自殺しよう。」

俺は軽い足取りで屋上へ向かった。

やはり高校生の自殺の定番と言えば「屋上からの飛び降り」だよな。

遺書?そんなの残したところでどうなる。

今さら「あの時、ちゃんと相談に乗ってあげていれば」なんてお決まりの台詞は聞きたくないね。

そんなことを考えながら俺は屋上の柵を乗り越え、少ししかない足場に立つ。

下を見ると、下校途中の連中が蟻んこ程の大きさでちらほらと見える。

今から奴らの目の前に落ちるのか。皆、どんな顔をするのだろう。驚くかな、いや喜ぶだろう。

だって、俺は“ゴミ”で“いなくてもいい存在”で“死んでほしい奴”なのだから。

しかし、親には謝らねば。

見放されたとはいえ、ここまで金をかけて育ててくれたことに感謝をせねば。

感謝と謝罪の気持ちを胸に、俺は屋上から“跳んだ”。

俺は目を閉じた。そしてこの日、“龍塚 吉郎”は死んだ。

さようなら、俺のクソみたいな人生。
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