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もう一度君に会えたなら【緑谷出久】
第5章 お互いにありがとう
ついに決行の日になった。
僕らは一緒に作ったこの歌で数々のテレビに出演し、賞を貰った。
僕らがこれを歌うのは、最後だ。
『ねぇ、出久』
「何?奏」
僕らは右手に包丁を持っていた。
これが世界の終わりだと示しているように。
『また来世で会おうね!』
「うん!」
『じゃあ、歌おう。出久』
「そうだね。歌おう、奏」
僕は彼女に口付けをし、
口を大きく開いた。
『「お互いにありがとう」』
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