第4章 スカウト
「わざわざ来てもらってありがとうね!じゃあね!」
僕らは明るい社長と別れ、マネージャーと共に車に乗って自宅へ向かう。
「あの……飯田さんはおいくつですか?」
「俺は20歳だ。たぶん、あなた方が若いので、若い俺らが採用されたのでしょう」
「じゃあ、2つ歳上ですか?」
「いや、一つですね」
マネージャー若過ぎるよ!
そっちの方が馴染みやすいので、僕は全然オッケーだ。
「じゃあ、悠哉さんでよろしいですか?」
「じゃあ、俺も出久くんって呼ぼう」
悠哉さんはニコッと笑った。
優しいマネージャーさんで良かった。
『出久もマネージャーさんと仲良くなったんだね』
「奏はどうなの?」
助手席と運転席の間から顔出してきた彼女に僕は聞いてみた。
『百花さん、すごく優しいよ!しかも、一つ上だって!』
「悠哉さんも一つ上だよ」
『本当に!?やっぱり、すごいねぇ』
僕らは、趣味も友達との出会い方も全く一緒なんだ。
本当に、運命みたいな話だよ。
「到着したよ、出久くん」
「ありがとうございます!」
僕らは車から降りて、部屋に入った。