【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第6章 花筏。
ローside
* * * *
シェリルの姿が、徐々に大人びた姿に変わっていく。
白銀の髪は、真っ青に。
漆黒を宿した瞳は、濃い青…、藍色に変化した。
愛しい彼女の面影はなく、ただそこには、殺気をまとった女がいるだけだ。
「さぁて…と、どうする小僧。大人しく殺されるか、それとも、抵抗してみるか?」
「……クソ野郎…」
「貴様など、数十年しか生きていないようなガキだ。暇つぶしくらいにはなってもらわないとねぇ…」
微笑んで、女は言う。
女の視線がス…ッ、と、部下たちに向く。
俺は女の気を引くために、剣を構えたまま、近距離にせまった。
復讐者と化した亡霊は、微笑みながら、俺の剣の切っ先を左の手の平で受けた。
たら…り、と、血が流れ出す。
「愛しい女の身体に、傷を付けたなぁ、小僧…?」
「───────っ!!?」
「私はただ、憑依しただけだ。この身体は、シェリルのモノだぞ…?」
まぁ…、今も、これからも、ずっと、この身体は私のモノになるが…。
ケラケラと笑う。
俺は剣を引き抜こうとするが、腕を掴んで引き寄せられる。
剣は、刺した傷を広げていく。
ためらいながらも、女の顎を殴り、剣を引き抜き、距離を取る。
「…小僧、貴様に私は殺せはしない」
「…………」
「シェリルを愛しているお前にはなっ!!」
クスッ、
「…Room(ルーム)…」
─不敵な笑みで、呟いて─