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【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。

第6章 花筏。


スウェルside
*  *  *  *



「返すわけがないだろう…?」



嘲るように、にっこり笑った。



目を開いている、シェリルの首に手をかけ、水底にぐっ、と沈ませた。
必死に抵抗するが、小娘の力なんて、たかが知れている…。
彼女の口から溢れ出る空気が、ごぼ…ごぼっ、と海面に音を立てた。


『―――――――っ!!?』
「そのまま、沈んでなさいな」



――――――ずっと…、



「この身体は、私のモノだ」








『ねぇ、誰か、私を殺してよ…っ』



シェリルは、自分の中にある、強い「殺戮衝動」を恐れていた。
生まれながらに持っていた「影」の能力にも。
能力を扱うたびに、自分はいつか、自我を失ったバケモノになる…。
そう、薄々気づいていた。


自分を殺してくれる存在を、探していた。


そして、私を見つけた。
母親を失い、力を暴走させた、あの日。



『あなたは、私を殺せるの?』
「お前なんて、簡単に殺せるさ」




――――――ただ…今は、力が足りないんだ。








「私がお前を殺す? そんなことする訳ないだろう…?」



シェリルを殺せば、憑依している私も消える。
私には、一人でも多くの海賊を、人間を、殺す目的があるというのに。
自らその目的を断ってしまうような事、するはずがないじゃないか。


「アンタの恋路なんて、知ったこっちゃないねぇ…」



海賊に殺されて、数百年。
身体を求めて、今まで…、人間に対する殺意が消えた日は、一度もない。



―――――ようやく手に入った、この身体。







―私は、復讐者―
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