【ONE PIECE】トラファルガー・ローに愛されて。
第4章 花弁。
「愛してる」
私の右手をグッと引いて、掠れた声で、彼は力なく呟いた。
今から私は、暇つぶしに海賊船を一隻沈めてこようかと部屋を出るところ。
一緒に。そばにいて5年経ったが、こんなに寂しそうな彼は初めてだった。
「何、元気ないのね、ドフィ?」
「お前が消える夢を見た」
「………、」
「行かないでくれ」
くすっ
子供みたいに駄々をこねているようで。
愛しい人の頬を左手で撫でて、床に座っている彼を正面から抱きしめ、キスをした。
「今から沈めるのは、あなたの悪口を吐いている、愚かな海賊船よ」
「……シェリル、」
「大丈夫よ、目障りな海賊なんて、すぐに潰して帰ってくるわ」
――歯車が糸に絡み、狂い出す――