第48章 癒えない心
‹カランカラン›
雅紀と共に喫茶店に入ると、そこにはまだ皆がいた
潤「翔兄さん!大丈夫?」
翔「大丈夫だよ…心配かけてごめん」
俺はそのまま皐月さんの正面に行き
翔「皐月さん…さっきはすみません…貴方の事を責めた訳ではないんです…俺が弱いことで貴方にまで迷惑を…」
そう告げると皐月さんは俺の腕をトントンと叩いてきた
顔を上げると皐月さんはニコリと笑い、顔を左右に振って手話らしき動作で語っていた
和「海里…皐月さんは何て言ってるんですか?」
海「自分はそんな事気にしてないって…それと、貴方は弱くないですよ…って」
翔「えっ…」
するとまた、手話で話し始め
海「弱い人は自分に非があると思っても謝ったりしない…自分は傷つきたくない…悪くないんだって思うから…だとさ」
翔「皐月さん…」
智「…翔くん達が出ていった後、皐月さんこう言ってたんだ『あの人は本当に傷ついていた…その事を今まで言えずに我慢して辛い思いをしてたみたい…けど、きっと今の発言に後悔してると思う』…ってさ」
…それ…さっき雅紀にも言われた…
たった数分しか会ってない俺の事をそこまで…
翔「…海里…」
海「…え?」
翔「皐月さんの事、絶対幸せにしろ。二宮のご両親にもキチンと許しをもらえ。それが出来なければ俺は一生お前の事を許さない…いいな」
海「…わかった…ありがとう翔…」
雅「翔ちゃん…」
…これで俺もきっと前進出来る…
そう思った…