第48章 癒えない心
「突然すみません…宜しいですか?」
あれ?潤、看板替えて行かなかったのか?
翔「申し訳ありません…今日はもう終了で…」
「あ、違うんです!その…こちらに大野翔さんという方がおられると聞いたんですが…」
…へ?俺?
翔「大野翔は僕ですけど…あなたは?」
「し、失礼しました。自分は伊野尾慧と申しまして、S警察署にこの春から配属されました」
S警察署…って…岡田さんのいる…
翔「伊野尾さんですか…それでご用件は…」
伊「そ…その…ただ貴方にお会いしたくて…」
翔「…はい?」
な、何で俺に?
面識もないのに…
とりあえず俺は伊野尾さんをテーブルに案内して座らせた
翔「コーヒーで宜しかったですか?」
伊「あっはい!ああ、ありがとうございます」
この人…めちゃくちゃ緊張してるな…
翔「それで、何故俺に会いに…?」
伊「あの…ぼ、僕この春から捜査第1係に配属されまして…」
翔「捜査第1係って岡田さんの…」
伊「そ、そうです!岡田警部補には何時もお世話になってて!」
おっと?岡田さんの名前を出したら、急に食い付いてきたな…
翔「そうなんですね…それで伊野尾さんは何故俺の事を…」
伊「あの…よく岡田警部補が貴方の事をお話になるので…どんな人なのか知りたくて…会いに来てしまいました…」
岡田さんが俺の事を?
翔「どんなお話をされてるんですか?」
伊「…頭が良くて優しくて…男の人だけどそんなの気にならないくらい美人だって…」
うわー…そんな事言ってるのか…岡田さん…