第45章 父からの依頼の先に…(3)
その日に伺うと遅くなるので、翌日雅紀と行くようになった
受付で声を掛けると、話をつけてくれていた様で、直ぐに応接室に通してくれた
暫く待っていると
‹カチャ›
望「お待たしました」
先日、対応してくれた女性が入ってきた
翔「今回は無理を言って申し訳ありません」
望「いえ。木田さんが言ってくる方だから、こちらも信頼しておりますので」
…つくづく木田さんの人脈に感謝だな…
翔「早速ですが、栗原ケイさんはこちらに居たんですか?」
望「その事ですが…その方は『栗原けい子』さんではありませんか?」
…あ、そっか…言ってた人が皆『ケイちゃん』って言ってたから『ケイ』さんだと思ってたけど…
翔「多分、そうだと思います」
望「それでしたら…けい子ちゃんはこちらに来て1年位で養子に入ったのですが、養子に行った家のご両親も事故で亡くなって…」
雅「え?じゃあまたここに…?」
望「いえ、その時けい子ちゃんは高校生だったので、1人で生活してました」
…1人で…大変だっただろうな…
翔「そのけい子さんは、今何処にいるか解りますか?」
望「それが…聞いた話では数年前に亡くなったと…」
翔「…そうですか…」
…その人が叔母さんだとすると…もう父さんに会わせることが出来ないか…
望「あの…宜しければけい子ちゃんの写真がありますけど」
翔「ホントですか?」
望月さんは机の下に置いていた袋から一冊のアルバムを渡してくれた
望「この子がけい子ちゃんです」
翔「…えっ…?」
雅「…翔ちゃん?」
まさか…ホントに…?