第39章 番外編~記憶がなくても…貴方に会いたい~
・・・
<ザー…ザー…>
遠くで聞こえる波の音…
懐かしい潮の香り…
「…甲斐じぃ…あいつらは…?」
「隣の島の派出所に連れてった…」
…誰かの話し声が聞こえる…
「…ん…」
遥「あっ海人、気がついた!?」
将「海人!大丈夫か!?」
…え…?
甲「さっきの奴らの事は大丈夫だ。あいつらは隣の…」
翔「あ…あの…海人…って…?」
将「…え?」
遥「…海人?」
海人…って…もしかして俺の事…?
けど俺は…
将「…お前の名前は?」
遥「え…お兄ちゃん?」
俺の…名前…?
翔「俺は…大野翔…ですけど…」
遥「…海…人…」
将「…戻った…のか…」
…え…?戻った…?
翔「あの…一体何の事…」
すると突然側にいた女の人が…
<バタバタ…>
走って部屋を飛び出していった
将「遥…」
…遥…?聞いた事があるような…
翔「すみません…ここは何処なんですか?それに俺は何故ここに…」
将「ああ…そうだな…説明するよ…1年前のあの時からの事…」
翔「え?1年前?」
それから側にいた医者らしき人から話を聞いた…
あの爆弾事件から今日までの全ての事を…
翔「じゃあ…俺は1年間記憶が…」
将「ああ…どうやら記憶喪失の間の記憶は、戻った時に失うようだな…だが、俺が言った事に嘘偽りはないよ…信じる信じないはお前次第だがな」
翔「そんな…俺の事を助けてくれた人を疑うなんて…本当にありがとうございます」
…そう…疑うはずなんかない…
けど…この人の寂しそうな表情は…なんなんだろう…