第37章 commit a fault(5)
潤「ごめん…起こしたか?」
和「ううん…大丈夫…潤、何かあった?」
潤「えっ俺?」
和「…何か辛そうな顔してるから…」
潤「えっ…」
辛そうな顔…
やっぱりそんな所は雅紀兄さんの弟だよな…
潤「…何でもないよ…色々あって疲れたのかもな…」
和「なら無理しないで家で休んでてよ。俺なら大丈夫…」
潤「大丈夫。和の可愛い寝顔見て元気もらったから」
すると和は顔を真っ赤にして
和「…馬鹿…」
そう言って照れていた
潤「もう暫く寝てろよ和…俺がいるから…」
和「その前に潤、持ってきたんでしょ?アルバム…見せて」
潤「えっ…まだ無理するなよ。もうちょっと良くなってからでも…」
和「ううん…日にちが経つと俺の記憶も曖昧になりそうだから…」
潤「…解った…けど本当に無理するなよ?キツくなったら休めよ?」
俺は和が楽に見やすいようにベッドを起こした
けど、動かした事で傷に響いたのか
和「…っ…」
和は少し顔を歪ませていた
潤「和っ大丈夫か?」
和「…大丈夫…ちょっと響いただけだから…」
そこで和は少し深呼吸して
和「…もう大丈夫だよ…潤見せて」
俺は和の膝の上にアルバムを置いて
潤「とりあえず子供の頃のアルバムからな…」
そう声を掛けると和はパラパラとページをめくり
和「…子供の頃だと解りにくいね…」
潤「…だな…じゃあ…」
俺は別の中学、高校までのアルバムも見せた
…けど…
和「…この中にもいない…」
潤「えっ?」
アルバムを全て見終わったけど、和はそう言ってため息をついていた