第31章 解りあいたくて…
~和也side~
「待ってたぞ和也、やっと私の後を継ぐ気になったか」
和「…はい…」
…潤くん…怒ってるかな…勝手に家を出て…
ごめんね…一緒になろうって言ってくれたのに…
けど…俺のせいで翔兄さんと揉めてほしくなかった…
潤くんがまた大野に戻れればきっと今まで通りに…
会長「…どうした和也」
和「あ、いえ…あのおじいさん…お願いがあるのですが…」
会長「願い?何だ…」
和「潤くんを大野から除籍するのを止めてもらいたいのですが…」
おじいさんは一度決めた事は覆さないけど…
けど今ならまだ間に合うはず…
会長「…除籍の件は潤本人からの申し出だ…」
和「なら撤回しても」
会長「好きにしろ。だが一度決めた事を簡単に撤回するとは…所詮その程度の男だったと言う事だな…」
和「違います!この事は私が勝手に…」
智「和也!」
和「えっ…智兄さん…」
潤くんの事を弁明しようとしていたら、智兄さんが突然割って入ってきた
智「和也、お前何やってんだ。潤がお前の事心配してたぞ」
潤くんが…
その気持ちだけでも俺は心から嬉しかった…
和「…潤くんに伝えてください…私はこのままここに居ると…大野から除籍しなくても大丈夫だと…」
智「…そう言うと思った…」
和「…すみません…わざわざ来て頂いて…」
「和」
…え?
今の声は…
名前を呼ばれて顔をあげるとそこには
和「潤…くん…」
潤くんが佇んでいた