第30章 例え茨の道でも
~潤side~
朝食の準備をしていたら、何やら廊下が賑やかになってきた
翔「もー良いだろ!」
和「良いじゃないですか、減るもんじゃなし」
潤「…おはよう…何騒いでるの?2人とも…」
どうやら騒いでるのは和と翔兄さんのようで、翔兄さんは顔を真っ赤にしていた
和「あっ潤くん見て、翔兄さんの胸元」
潤「胸元?」
和に言われるまま翔兄さんの胸元を見ると、見た事のないチェーンが見えた
潤「翔兄さん珍しいね、ペンダントしてるんだ。でもそれがどうしたの?」
和「そのペンダントの先」
ペンダントの先って…あれ指輪?
潤「翔兄さん…そんな指輪持ってたっけ?」
和「貰ったんだって、雅紀兄さんから♪」
潤「…え?」
雅紀兄さんから貰った…って言ったら…
潤「もしかしてそれ…エンゲージリング?」
俺がそう言うと、翔兄さんは真っ赤になったままコクリと頭を下げた
翔「…これ…雅紀のお母さんのなんだって…そ、添い遂げたい人にあげてってメモ書きと一緒にあって…」
潤「それで、もしかして雅紀兄さんからプロポーズされたの?」
翔「う…うん…」
そっか…やっと雅紀兄さん…
潤「おめでとう翔兄さん…」
翔「潤…ありがとう…」
今まで翔兄さんは血の繋がらない俺の為に、自分の夢を諦めてまで俺を養ってくれた
そんな兄さんがやっと幸せになれる…
俺はそれが自分の事のように嬉しかった…