第27章 虹の袂
雅「…どなた様ですか?」
『すみません、西川キクの息子です』
雅「あ、息子さんなんですか?はじめまして」
なんだ…ビックリしたー…
前にばあちゃんが言ってた、隣県に住んでるって言ってた人だ…
雅「あの…今日夕方キクさんからお電話もらってて、折り返しかけたんですが繋がらなかったので…今キクさんいらっしゃいますか?」
『…えっ?』
…?どうしたんだろう…何か驚いてるようだけど…
『あの…本当に母からなんですか?』
雅「はい…今かけてる携帯番号からでしたが…何か?」
『実は…母は本日15時頃亡くなりました…』
雅「…えっ…?」
キクばあちゃんが…亡くなった…?
15時頃っていったら…俺に電話が入った頃だ…
『3日前に外で倒れたらしく、近所の方から連絡をもらって病院に駆け付けたんですが…そのまま意識が戻る事なく…』
雅「そう…だったんですか…」
…もしかして会えないから電話くれたのかな…キクばあちゃん…
『葬儀も近親者のみでする予定でして…この携帯も解約するつもりです…生前は母が大変お世話になったそうで…ありがとうございました』
雅「いえ…僕は何も…」
その時俺はある事がふと気になった
雅「すみません、太郎はどうするんですか?」
『太郎?』
雅「キクさんが飼ってた柴犬の太郎です。西川さんが引き取っていただけるんですか?」
『あ…いえ…家ではちょっと…』
雅「じゃあ、どなたが…」
『…そのままにして下さい…』
…は?