第26章 a mistake(6)
後日、伊集院さんがお礼にと事務所を訪ねてくれたので、事の経緯を全て話した
伊「え?ではあのお店もグルだったんですか?」
翔「はい、自分と弟が変装して店に行ったら、その日のうちに声をかけられたのに、伊集院さんが何度足を運んでも会えなかったっていう事が引っ掛かって調べてみたら、どうやら店の経営者と男が昔からの付き合いだったらしく、騙せそうな客が来たら男に連絡して、上手くいったら分け前を渡していた様です」
だからあの時、男が入店した形跡がなかったのに、俺の事が解ったんだよな…
伊「そうだったんですね…今回の事はご迷惑おかけしたのに、ここまでして頂いて…本当にありがとうございました…これで娘も報われます…」
智「いえ…伊集院さんの娘さんを想う気持ちが解決に導いてくれたんですよ…」
智くんの言葉に伊集院さんは涙を流し、深々とお辞儀をして事務所を後にした
雅「弥生さん…喜んでくれたかな…」
潤「うん…だと良いよね」
大丈夫だよ…きっと…
翔「しっかし…普段怒らない奴が怒ると迫力あるよな…」
潤「それってもしかして和の事?」
智「そっか…翔くん初めてなんだ、和也が切れた所見たのは」
あ、そっか…潤はあるんだ(「ひとつ屋根の下」第30章)
雅「驚いたでしょ?でも翔ちゃんと変わらないよ?」
翔「どこが…俺の方がまだ…」
そんな事を話していたら
<カチャ>
和「誰ですかー?こんな所にモップ置きっぱなしにしてー…」
ギクッ!
翔「ごっ、ごめん!すぐ片付けます!」
和「えっ?あ、お願いします…」
…これからは和也を怒らせる様な事は止めとこ…
和「…?」