第26章 a mistake(6)
和也の発言が気になったらしく、雅紀は終始「一緒に行くっ!」って言って聞かなかった(結局、潤が押さえ込んでいたけど…)
翔「…心配してくれるのは嬉しいんだけど…」
雅紀が出てくると確実にバレるだろうな…
待ち合わせ場所で1人ベンチに座り待っていたら
秀「翔子ちゃん、お待たせ」
秀二が俺の姿を確認して、走って近付いてきた
秀「ごめんね待たせて…」
翔「いえ…私も来たばかりですから」
秀「ごめん、ちょっと座らせてね」
秀二はそのまま俺の隣に腰かけて、ポケットからハンカチを取り出して顔を拭いていた
…俺が待ってると思って急いで来たのか?汗が凄いな…
翔「あの…秀二さん?」
秀「ん?」
翔「その…さっき言ってた喫茶店のテンペスタって…行った事あるんですか?」
やっぱり確認しておかないと…
秀「ああ、ないよ」
翔「え?そうなんですか?なら何で待ち合わせに?」
秀「何かそこの喫茶店が女性に凄い人気だって聞いたから、翔子ちゃんと一緒に行ってみようかな…って思っただけだよ。それがどうかした?」
翔「あ、別に何でも」
はあー…良かった…それだけだったのか…
秀「何?興味あるなら行ってみる?さっき翔子ちゃんよく解らないって言ってたから、連れて行ってあげるよ。この近くだから…」
翔「だ、大丈夫!」
秀「そう?」
わざわざ連れて行ってもらわなくてもイヤっていうほど知ってるから…