第25章 a mistake(5)
「ごめんねいきなり…さっきから見てたけど、ずっと1人だったから…」
さっきから見てた…?
おかしいな…この男俺が入店してから見てないけど…何処にいたんだ?
「隣良いかな…」
そう言いながら俺の隣に腰掛けてきた
…おい…俺は良いとは言ってないぞ!
俺の思惑など知るよしもない男は俺の顔をじっと見つめて
「…初めてあったな…君みたいな可愛い人」
なんて背筋が寒くなる様な事を言われた
「俺『秀二』っていうんだ…君は?」
秀二…やっぱりコイツが…!
…って何で出てくるんだ!せっかく和也にバトンタッチさせる口実を潰しやがって!←完全に責任転嫁
そういうセリフは和也や智くんみたいな可愛い奴に言えっ!←当初の主旨からハズレてる
「…ねぇ…名前何て言うの?」
ううー…声出すとバレるよなー…
バレたら末代までの恥だ…
俺は出来うる限りの高めの声で
翔「…さ…櫻井…翔子…」
と小さめの声で話したら
秀「翔子ちゃんか…名前も可愛いな…」
こ…こいつ…耳も悪いのか?
何で気付かないんだよっ!
秀「…どうかした?」
翔「…気持ち悪く…ない?」
秀「何が?」
翔「この声…低くて…お…男みたい…」
そう聞くとニコッと笑い
秀「何だ、そんな事。全然気持ち悪くなんかないよ。もって生まれた翔子ちゃんの大事な声なんだから」
この男…詐欺師のくせして良い事いうな…
それともこれも女性を騙す手段なのか?