第22章 a mistake(2)
~翔side~
あの依頼者が訪ねてきて数日、あれから何事もなく過ぎていた
智「んー…やっぱり何もないな…」
和「冷やかしだったんですかね」
何もないならそれに越したことないんだけど…
『この男は人殺しです』
…あそこまで断言しておいて、わざわざ冷やかしに来るのかな…
それに雅紀が言っていた
雅『翔ちゃんの事ずっと睨んでたんだ…好意的じゃなかった』
その言葉がずっと引っ掛かってた…
俺…あの人に何処で会ったんだろう…
そんな事を考えていたら
潤「…冷やかし…じゃないかも…」
翔「え?」
雅「…潤…もしかしてあれ…?」
潤「あ、やっぱり雅紀兄さんも気付いてたんだ」
…あれ…って?
和「何かありました?」
雅「…ここ2、3日、家と喫茶店近くで同じ男を見かけるんだ…」
潤「何か探ってるような感じなんだ…多分その手のプロじゃないかな…これ見て」
潤はそう言って俺達に、外を映している監視カメラの映像を見せてきた
智「…誰も映ってないぞ?」
潤「うん、今はね。けどこれ」
潤は過去の映像を巻き戻して画面の隅を指差した
そこには
雅「そう、こいつだよ」
1人の男がこちらの様子を伺うように立っていた
潤「これ、初めて気付いた日の映像なんだけど、暫くして画面に映らなくなったんだ」
和「もしかして、監視カメラの存在に気付いたって事?」
翔「なるほど…だからその道のプロって事か…」
智「けど、これとその依頼とどう関係してくるんだ?」
潤「解らないけど、俺がこの男の存在に気付いたの、あの依頼者が来た2日後なんだ…」
…関係なくはない…かもな…
けど、何故だ?