第14章 空から落ちてきた天使(8)
潤「そういえば、俺まだ何も聞いてなかったけど、空の両親は大丈夫なの?」
翔「ああ、ちょっと薬を使われたり、暴行されてたりして入院してるけど、命に別状はないってさ」
潤「薬?それって…」
智「自白剤だよ…USBの在りかを聞き出す為に使われたらしい…」
潤「USBって?」
あ…そうだよな…潤には何も言ってないもんな
翔「空の父親はジャーナリストで、ある政治家が暴力団と繋がりがある証拠写真をUSBに入れてたんだ」
潤「じゃあ、今回の主犯は…」
智「ああ、その政治家だよ。空の家に押し掛けた時、母親が空を連れて逃げようとしたら追いかけられて、誤ってベビーカーを離してしまったらしい…」
でも良かった…故意に落としたんじゃなくて…
そんな話をしている時、何故か和がうつ向いていた
潤「…和…どうしたんだ?」
和「えっ?な、何でもありませんよ」
…そういえば和…あれ以来元気ないけど…
何かあったのかな?
和「それより雅紀兄さん、そろそろ空くんを迎えに行かなくて良いんですか?」
雅「あ、そうだった!」
潤「空?」
雅「今日、空が退院出来るんだ!俺ちょっと行ってくる!」
俺は慌てて空の所に行くと、空は俺に気が付いて
空「まんま、まんま」
ベッドの上で両手を広げて笑っていた
雅「空ー、遅くなってごめんなー。すみません、色々とありがとうございました」
看護師「いーえ、でも良かったですね。ご両親ももうすぐ退院なんですよね?」
雅「えっ…ええ…」
そうだ…もうすぐ空とも…お別れなんだ…