第14章 空から落ちてきた天使(8)
~和也side~
うそだ…そんな事信じられない…
智『潤は今、意識不明の重体だ…医師からここ数日中に意識が戻らない時は、覚悟をしてくれと言われてる…』
潤くんが…潤くんがいなくなるなんて…
そんな事ある訳ない!
智兄さんの言葉を受け、直ぐ様病院の集中治療室に駆け付けると、廊下の椅子に翔兄さんが座っていた
翔「和也!無事で良かった」
和「翔兄さん!それより潤くんは!?」
俺が問いかけると、翔兄さんは顔を曇らせ視線を中に向けた
その視線を辿ると…
和「…潤…くん…」
ベッドに横たわった潤くんがいた
翔「和也…先生には許可をもらってる…中に入って潤に声をかけてやってくれ…」
翔兄さんに促され、一緒に集中治療室に入って潤くんの側にいった
和「潤くん…」
声を掛けたけど、潤くんは動くことも、声を出す事もなく眠っていた
その顔色は青白く…まるで…
何考えてるんだ!潤くんがそんな…そんな訳ない!
俺は一瞬過った考えを振り払うように頭を左右に振った
翔「…潤がさ…俺に言ったんだ…」
和「…えっ?」
翔「夢の中だと思うんだけど、自分の代わりに和也を助けてくれって…」
潤くんが…
翔「…バカだよな…コイツ…自分が死にそうなのに、お前の心配ばかりして…でも、それだけ和也がかけがえのない存在なんだよな…」
和「…じゅ…く…」
俺も…俺もだよ…潤くん…
俺にとって潤くんはかけがえのない大切な…
愛しい人なんだ…